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日々の幸せなことしかまとめない。

忘れがたき味(海外食レポ)

 一回しか食べたことないけど、ふともう一度食べたいと焦がれる味に会うことがある。
 忘れがたき味。

 

 海外で食べた食事とか、整地巡りしたまとめも書く予定です!でもまずは、まずは忘れがたき味の話をしたい。海外に行った時に食べたフランス料理のコースを真面目に食レポしていきます。
 末尾にお店の場所を載せますが、おまかせ日替わりメニューのようで、きっと同じ味に会えないんですよね…。

 

 もし行かれた方は、その日かぎりの最高の出会いを是非お楽しみください。

 

■アミュージュブーシュ
緑色のスムージー、トウモロコシのタルト、ハーブと野菜のブーケ

 緑色のスムージーは入っていた野菜を聞きそびれましたが、青臭さの中に甘みとすっきりした酸味が入っていて、喉に引っかからず落ちていく。
 苦みもあるんですが、それが量も多く無いので青汁感もなく飲み干せます。
 口ならし、みたいな感じもしますね。まずは食事に入る前に、感覚をリセット!みたいな。

 

 とうもろこしのタルトはたぶん手で食べちゃってね的なサイズ。
 コーンは甘い、そしてタルト部分のサクサク、見た目の期待通りの味。野菜の甘みを上手く使って、ほぼスイーツぐらい甘ーい一品でした。

 

 そして一番感動したのがハーブとサラダのブーケ。
 これなにこれ!美味しい~!
 ドレッシング代わりに、ブーケの内部にミラベルの何か?とはちみつが入っているそうで、うぉおおおおなんだこれ、ただの野菜じゃない…!
 見た目の可愛さ、そして噛みしめるとミラベルと蜂蜜の甘いジュースがじゅわっと来る。
 しょっぱなから目をキラキラさせちゃいました。

 

 久しぶりに食べるフランス料理、やっぱクリエイティブなメニューに心が躍るし、とっても美味しい。

 

 パンは季節ものの栗入りの、ハードタイプのものでした。中はふわふわもっちり、外はざくっとしていて、噛めば噛むほど美味しい。


 おかわりしたかったな…すごく美味しかった。
 パンこね、発酵過程もシェフが自前でやっているそうで、パンだね育ててるシェフを想像して微笑ましくなった。
 本当におかわりしたかった。
 もう本当におかわりしたかった。メインに行く前に無くなりそうになってドキドキした。(他の人が断ってしまった)
 もっというと、ナプキンに包んで持って帰りたかった。


■前菜1
マグロとベルペッパーのジュース、サラダを添えて

 うわうわうわ、前菜で本マグロですって。もうしびれますね!
 中トロと赤身、そしてさっき悶絶したハーブ類含むサラダの鮮度!
 ベルペッパー(ここはパプリカっぽかったような)のジュースと言っているのですが、しっとりとエキスがかかっていて、それとマグロのオイリー感たるや…。
 全体のまとまりが良くて、すごくおいしい。最高級海鮮サラダですよこれ。
 この段階でもうメインでは?と目をパチクリさせてしまった。
 瞬いてる間にすぐに消えてしまった、それほどすぐ胃に収まってしまいました…。

 

■前菜2
真ガキ(カマルグ 産)とブロッコリーのヴルーテ

 やば、序盤はカキ見えない(写真)ですけども、カキ発掘のために食べた一口目のブロッコリーのおいしさが…際立ってる。
 日本でブロッコリーと言えば、花部分がメイン扱いなんですが、こっちは逆で茎が主役だ!
 茎が丁寧に火を入れられていて、薄い切り方で少しシャキシャキ食感も残りつつ、甘い。

 隠れてたカキは、一口でいっちゃえと口に放り込む。これはナイフで切ったら汁が零れてしまうので英断が必要です。う、うわ~すごい、小ぶりなのにジューシー。悶絶。
 ブロッコリーのシンプルな美味しさと、カキの濃厚さがぶつかり合わずに混ざり合う。
 ヴルーテソースはホワイトシチューのようなクリームソースで、うーわ魚介のうまみ…。
 これはすごい好きな料理!うなるほど美味しい。
 今度またカキフライ以外の料理も食べてみることにしよう、と思いました。(カキフライがカキ料理で一番好き)

 

 前菜で2品とも魚介で、マグロ→カキと続くともう震えちゃう。
 これメイン来たとき、はじけ飛んでしまう。でもサーモンか、と少し侮っていた所もあったのですが、次が一番忘れがたい一品でしたよ。


■メイン ポワソン
トラウトのグリル、インゲン豆とイラクサのソース

 見た目は普通じゃないですか。食べる前はそう思います。
 しかし、食べてしまった私がこの写真を見ると、もう味が思い出されて唾液ドバドバでます。

 普通に美味しそう!って一口切って口に入れるじゃないですが、もう宇宙猫ですよ。
い、意味が分からん…、なんだこれ、美味しすぎる。

 そもそもイラクサのソースってなに?イラクサってなに?
 イラクサ、イタリアでは伝統的なソースがあったりするそうで、ほうれん草のような使い方ができるハーブ。だそうで。
 ソテーされた葉も食べましたが、ほうれん草のようなクセはなくて、にがすぎるというわけでもなくて、青臭さが際立って嫌味を出すでもない。
 この真緑色のソースと、脂身たっぷりのサーモン(鮭・トラウト)が合う。美味しい。
 このサーモン、焼き上がり側面はサクサク、なのに身の柔らかだけど弾力のある感じ。噛むと口の中でほろほろととろけていって、やばい。やばいぞこのサーモン。
いんげんと、イラクサの葉のソテーがまたバターの塩味をまとっててうまい。
 美味しくて意味が分からなさすぎる。この料理、宇宙過ぎる。
 この組み立て考えた人誰、握手してください。(シェフです)
 今日サーモンを焼いた人、ハグさせてくれ。

 

 日本人になじみのある鮭だから、とか、バターと醤油風味が日本風だから、とか関係ない。


 この料理は、到底忘れられない。
 カリッフワッなサーモンとシャキシャキのインゲンをソースにまとわせて食べたらもう口の中から…宇宙の空の中。
 ソースはサーモンの脂身のわずかなしつこさを、すべて削ぎ落してくる。
 そもそもバターは最強なのかもしれないが、でもそれだけじゃない。仕上げの醤油風味もサーモンの味を最高に引き上げるソースになってて、インゲンもイラクサの葉もとにかくサーモンを邪魔しない。
 野菜はここまで出てきたもの全部が美味しくて、甘いし、雑味が一切ない。とにかくいいものなんだなあとしみじみ思いました。
 うーーーー美味しい、これは美味しい。

 

 マグロ、カキ、で…結果、サーモンこそ王者。
 サーモンで感動をさせてくれてありがとうシェフ。

 あまりに美味しすぎて、肉料理食べてる間も、時たまぼーっと魚料理のこと考えてた。


 宇宙サーモンと名付けておこう。
 ああ、また会える日まで、宇宙サーモン。

 



■メイン ヴィヤンド
烏骨鶏の塩釜焼

 これも異次元のおいしさ。思い出せば、これも唾液がドバドバでます。
 こちらも忘れがたき味。
 塩釜に囲まれてるお肉が「仕上がりました」と運ばれてきた時には、「塩釜かあ、絶対おいしいよなあ」とおもっただけですが侮るなかれ…でした。

 お肉のジューシーさがすごい。そもそも塩釜だから、内部にまでしっかり塩味と肉汁が絡み合って、どこもかしこも噛めば噛むほど味が出てくる。(ジャーキーみたいな感想やめろ)
 部位は胸ともも肉だったと思いますが、皮が美味しい、パリっとしてる。
 うー好き、この料理法好き、柔らかいし硬くなく、味も淡白じゃないからするする入る。
 しかも添えてあるキノコとミラベルの実とソースも美味しくて、お肉と永久反復運動になる。
 あとミラベルを煮詰めたソースは肉につけてたべると、甘くてぐっとお肉の味を強く感じさせてくれる。


 キノコも美味しいし、ミラベルを生で初めて食べました。美味しい、甘い!
 初めてミラベルのチョコを食べたとき、感動でファーってなったのを思い出したんですが、生のミラベルはまたシャキシャキで甘い桃って感じで…。
 胃は八分目をとうに超えているのに、新たな味との出会いで手が止まらない。


 塩釜焼きの真価を見た気がしました。おいしかったなあ。


■デザート
ピーチメルバとバニラアイスクリーム

 

 なんか予想と違う見た目で来た。ピーチがガングロコーデで入場…?


 フランスのデザート、皆、見た目が前衛的すぎないか?

 

(ちなみにこれはアイスクリームとサバイヨンソース、リュバーブとイチゴのクランブル。丸いサバイヨンソースのクリームの塊にイチゴアイスクリームがはいってて「はへ????」だった)

 

 桃の下にクリームと生のライチが入っていて、桃はワインコンポートっぽい。
 紫蘇のエキスがかかっているようなんだけど、私それほど紫蘇っぽさを感じなかったので、本当にアクセント程度って感じでした。
 確かに紫蘇には全てに勝つポテンシャル持ってるすご強ジャパニーズハーブだもんな。
 桃の柔らかな果肉とアイスクリームとクリーム、下に隠れてるライチを掬えば…口に放り込んで、桃源郷が見えてくる。
 ライチを入れているのがちょっとイスファハンぽくて、でもまとまり方が上品で、やっぱりピーチメルバ。
 震えてました、あまりに美味しくて。
 デザートは、やっぱり口に入れた瞬間の感動がすごい。一口目の驚きと、美味しさへの感動と、口の中でのそれぞれのマリアージュ


 ケーキはケーキで好きだけど、こうやって冷菓と果物の上品なデザートもいいですね。
 今度パティスリーだけめぐりしに来たいな。今回は一切スイーツ食べなかったので…。

 

■コーヒーとミニャルディーズ

 ミニャルディーズは作りたてらしく、ガトーダマンドは焼き立て、ベリーのキャラメリゼは作りたて。
 ガトーダマンドが美味しすぎる、うーーー咀嚼が幸せ。ベリーのキャラメリゼもコーヒーと一緒に口の中をさっぱりリセットしてくれる。

 

 おなか一杯、ちょうど10分目に達しました。ぴったりすぎるぐらい。


 総じて、美味しいお店は高いけれど、でも、記憶に焼き付けられてしまうほど美味しいなと震えました。いや、満足です…。

 

 お店はこちら。素敵な記事もあったので、載せます。

「MAISON」( 3 rue Saint-Hubert 75011 Paris)

magazine.hitosara.com