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日々の幸せなことしかまとめない。

「もともと特別」感想(2019/10/4)


「もともと特別」

 

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いただいたポスカとブロマイド


タイトルやあらすじだけでは全くどんな舞台かわからなかったのですが、ワンピースタワーに出演していた役者さんが出演されるということで誘われて観に行きました。

 

「この脚本と演出を組み合わせた人、天才なのでは?」

 
ということを観終わった後に感じました。
大阪の舞台演出は小規模さを活かしているのかシンプルで分かりやすく、本当に洗練されているなと思ったんです。


まずは、面白かったです!
内容の重さを、ラストステージのパムスの歌が浄化する…神秘的ですね。

本当はこうだったのでは、とか、あそこはああ解釈せねば…?などと考察をしても、答えにたどり着かなかった。
なので、普通にシーンに感じたことをまとめました。


一つの転換期としてあった、震災の年。
あの日に、様々なことが変わってしまった人がこの日本にはどれくらいいるんだろう?
それを感じたのは、舞台に織り込まれた時間軸のストーリーの域を出ていたので、設定に感嘆しました。

ただ、照射された時間軸の表示、「1 year later」とか出るんですけど、ぱっと見ではいつかわからず追いつかなかったのだけが辛い。

自分の英語力の問題じゃねえか!となるんですけど…。
agoとlaterとパッとでてきて、読んですぐにシーンが始まるので…。
今度はどっち?!
2011年の1年後か、それよりも以前のシーンの1年後か???
見ているうちに引き込まれ過ぎて混乱してくるんですね…。

そこだけ、「~年」表示で統一しちゃえばよかったのに…と思いました。


★細かな話羅列(ネタバレ)

・はる恵さん(小田あさ美)さんが魔法使いか?というところに、だいぶどう見たらいいのか??!!!とハラハラしまくった私の心中がやばかった。
魔法使いとして、他人に魔法をかける…ということで?


・パムスの2人も、人間。アイドルである前に…。と思う部分を視覚的にみると、胸が苦しくなる。
例えばすずちゃん(古野あきほさん)とゆきちゃん(宮島小百合さん)のやり取り。
まやちゃん(倉持聖菜さん)と、楓くん(関修人さん)との関係性とか。


・楓くんの無邪気さが、怖さがあったけど裏表があるというよりは彼なりのその業界での身の守り方のような気がしました。
敏感になりすぎ、気を使って恐れを持って臨むよりも、自分の仕事の表の輝かしさ(アイドル)と同じように、堂々と包み隠さずにいることが一番自分が傷つかなさそう…というような。

まやちゃんの性格との対比もありました。

謝罪会見での笑みは、めちゃくちゃ悪人でしたけども(笑)
あそこだけは、野心が丸出しでした。向かいの座席で見てたので、背筋が凍りました。
まったくもって、会見に邪魔しにきてマウントとりに来た感が…。


・お姉ちゃん(すずちゃん)のシーンのえぐさがすごい。
レイプ被害にあった過去を実際に再現するとなって、あれはエグい。
そして過去それをやったディレクターの今までの飄々とした顔、まさに社会に溶け込んだサイコパス。殺意湧きます。
その後にパムスを抜けることを決めたのに、お互いに納得ができていないすずちゃんとゆきちゃん姉妹。
…確かに。納得いくわけないけれど、状況だけが理解できる流れ。


・まやちゃんの考えることがなかなかわからなかったものの、楓くん家で未遂を起こしてしまいますね。
恋愛問題とは、複雑で繊細。
これがパムスの最後の転換期なわけではないですか。

そんなことを、まやちゃん本人も予想していなかったと思うのです。
自分のアイドルとしての影響の大きさなんて、自分が人間として生きているだけでは気づくことはできないと思います。
状況がごろごろと変わっていく…。ハラハラ。


・本当は…の後のネタばらしのような舞台裏の数々。
ゆきちゃんは本当は悪女だったんでしょうか。なにもかも仕込んで誘導したんでしょうか。
お姉ちゃんのために。

ここからの伏線回収的な転換がとてもすごい!スピード感があるのに落ちてきます。


・ラストライブ
大阪では自由席で、最前列でみてたんですけど、ゆきちゃんの歌の途中で泣きそうなのに、私がつられて涙腺が緩んできた。

その後、ダバーーーーー!!!(笑)

最後にしたのは二人が選んだ(意図的でなくても)結果だと思うのです。
その儚さに、離別していく未来が見えて、永遠なものなんてないんだなと思います。
それこそ国民的な有名アイドルだったとしても。


・ダンス
きれいなダンスーー!ひきつけられました。
ほぼ目線釘付けでした。ゆきちゃんの手の動きが特に美しくて、やばかったです。


 

★劇中歌

使われていた劇中歌の中の、パムスが歌っていた曲が懐かしくて…。


山口百恵「ひと夏の経験」
 →この曲大好きだったので、びっくりした。
  まさにアイドルから出されたら、「衝撃」しかない歌詞ですよ。
  女の子らしいのに、センセーショナルであって、嫌味を感じない純真さ。
  二人からも百恵ちゃんと同じ、乙女の強さと美しさを感じました。

山口百恵「絶体絶命」
 →この曲も大好き~!
  「ひと夏の経験」と同じ、アイドルから出されたらびっくりな曲。
  それでも似合う、黒に固めた二人の姿勢に、ニヤニヤしちゃうほど似合う。
  

中森明菜「目を閉じて小旅行」
 →最初聞いたときに、知ってるのに誰だっけ?!となった曲。
  ゆきちゃんに合う!!!このさわやかさと切なさを兼ね備えた失恋ソング。
  最後のライブで二人で歌えてよかった…。

中森明菜「忘れて」
 →歌詞が…シンプルに切ないので涙腺が崩壊した曲。
  最後は意味ありげな曲なんですよね、覚えていてほしいはずの最後のライブに「忘れて」という曲。
  違和感に余計に忘れられない。
  

 
選曲がいい。

しかもあの作曲家さん(川又崇功さん)のイメージから出てくる曲とは、最初思えなかった。
なのに、「アイドルに合わせて作りたいものを作る」というセリフでちょっと説得力を感じた。

だって似合うんですよ~!

 


内容の流れにそって書ける自信がなかったので、箇条書きにしました。

アイドル的な明るい内容、という入り方を思いきり裏切り引き込んでくれる内容でした。
テーマ的に、国民的アイドルのネタが使われているというのを知ったのですが、
知っていても知っていなくても面白い。
すごく面白い。

金屏風事件の部分は、後で知って「コエ~~~!(泣)」って震えましたけど。


重たさが強調されるシーンと、神秘的で軽いシーンや笑えるシーンのバランスがとても良いです。
ギャグの後にシリアスぶっこまれて、オエエエって吐きながら見るパターンでは全くなく、緩急のバランスが私には合っていました。

構成がすごいと思います。


 
そういえば、はる恵さん、魔法使いだったのかな。
魔法使いだったのかもしれない。
生きているのが辛い人たちを、せめてもう少し幸せにしようと魔法をかけて一生懸命だったのかもしれない。

わっかんね~!

 

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