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日々の幸せなことしかまとめない。

にんげんのかたち(くすりとしごとのこと)

 新しいパソコンのキーボードの感覚にまだ慣れていないせいで、全然文章が進まない。
 タブレットBluetoothのキーボードで書いてるので文章を移動させたりして、それも面倒くさい!キイイ!


 ネット検索で薬の名を入れてたどり着く方もいると思いますので、その方の参考になればよいなと思います。
 参考にならなかったらごめんなさい。


 「しごとのはなし」で連続でコミュニティ内の人を書いているワケですが、私も訳アリです。これも一応しごとのはなしということにしておこう。

 


 睡眠障害をずっと持っています。
 普段、ADHD治療薬のコンサータを飲んでいます。

 日中にほぼほぼ寝落ちてしまう私が、シャキッと起きるには不可欠なものです。
 この薬が意識が起きているのを助けてくれれば、仕事に集中することも至極容易になりました。


 中学校から大学まで、気づいていたんですが知らないふりをしていました。
 日中の眠気に耐えられない、授業を聞きたいのに聞いていられない。解決策がわからない、夜寝ているのに、朝そんなぐずるわけでもないのに。
 学校の先生もアイツいつも寝てるな、って認識だったと思います。成績もよくなかった。

 日中の耐えられない眠気って、すッごいんですよ!!(褒めてない)

 どんなに何をしても耐えられないんですね、その波が去るまでずっと囚われています。
 冷水を顔面に浴びようが、腕をつねろうが、ガムを噛もうが意味がない、強い眠気に襲われます。人としゃべっている時やご飯を食べている間に感じることもあります。

 今まで自分の眠りの困難に対して、「病気ですよ」という診断がでたのは驚きだった。
 最初は信じることができなくて、どういうことだ…と、ポカーンと医者先生を眺めてました。

 ただ、結局のところ理由はどうでもよくて、日中ちゃんと活動していたいと思っていました。
 眠気や、夜の睡眠に恐怖せずに過ごしたいという思いで、私は事実を受け入れています。
 ネット上にもコンサータストラテラ、薬については色々と書かれていて不安でした。肯定、否定、合う合わない、副作用や自分の性格など…読んでも答えを先に出すことはできなかったです。


 『居眠りなんて根気次第で解決できる問題だ』といわれてきたのに、薬を飲みはじめて、日中の居眠り問題がすぐ解決したことには驚きました。

 自分の努力がいったいどれ程カスかったのか、などと想像してがっかりしましたよね。
 副作用は色々ありますけども、「人間になれるならいいや」と私は思っています。

 

 先日、舞台を見に行った際に、たまたま休日に遅く起きて薬を飲まずに行きました。

 そこで気づいたのは、素面の状態では視覚や聴覚から様々な情報が選ばれず全部飛び込んでくる。また、その情報過多の状態を処理しきれなくなっているので、役者さんの進行中の演技に集中できませんでした。

 台詞噛んだ後の「言い直さねば」な空白の雰囲気まで感じてしまい、(あ、やばいやつだ)と気づきました。
 感覚が敏感なのはいいこともたくさんあるけど、物に集中できないなら、いっそ要らない要素を捨てることができる薬に頼るべきだなと思います。
 舞台袖の黒子の動きなどにまで気を払っては、黒子さんの意義がないではないですか。
 わたし、そういうところだぞ(汗)。

 

 それは職場でも、若干の悩みでもあります。

 職場で薬を飲まない日もあったんですが、まあ普段から音にも物の動きにも敏感なもので…。
 感覚が繊細でいると誰かの咳払いの声とか、居眠りの船こいでるようすとか、目にも耳にも入ってくる。
 そうなると、自分で自分の感覚にイライラし始めるんです。相手に当たったらダメなほど些細なとこまで気づいてしまって、イライラしまくるんです。

 そこで薬は結構、役立ちます。
 仕事に集中したいから、要らない感覚をそぎおとしてもらいます。

 余計な要素に気づかない、見ない、認知しない。

 (ああ、顔は話を早く切り上げたがっているな…)と知っても、薬が空気を読まないのを助けてくれて、明確な指示をあおぐことができる。
 大事なところだけを大事にすることができる。
 自分が仕事上不利な立場に置かれたら大変ですし、冷静さ大事です。

 ぼーっとしてる人に、(チーム忙しいはずなのになあ)と怒りを燃やさず、認識しない。
 これも大事。そんなものに意識をさく方が悔しいと常々思っています。


 ここでまとめ。

コンサータでよかったところ
・日中ほぼ起きていられる
 →いままで昼寝レベルでなく居眠り、寝落ちを繰り返していたのが劇的になくなった。
 →仕事での一番のネックを、ここでほぼ取り払うことができて、今はもともとの夜の睡眠障害を治療しています。

・意味不明なほどの食欲が減った
 →いままで刺激が欲しくて食べる行為を続けてたのがなくなったのと、副作用の2つがあるかもです。
 →すごく助かります、身体の負荷が一気に減りました。食べることへの罪悪感も緩和。うれしい。

・物事に集中できるような冷静さを保てる
 →集中したいときに気が散っても、「大丈夫、落ち着こう」と一旦立ち止まる冷静さが生まれた。私は集中力もあがりました。


コンサータのめんどくさいところ
・夜の睡眠に影響をダイレクトに与えてくる
 →日中の眠気を取っ払って、12時間効果があるので寝入る時間帯に影響が。最初は薬の効果が切れて、体力のエンジン切れするまで寝れなかったです…。

・創作意欲が減る、アイディアが詰まる
 →困る!!仕事か、創作かと秤にかけられたのは辛い!!!書く本数が減った。絵も描かなくなったんです…悲しい。

・ある一定の時期に、効かなくなると用量をあげなければいけなくなるパターンがある。
 →医者先生とまだ悩みながら、どの量が一番いいか…と相談しあってます。
 →ただ、効かなくなると日中寝そうになるので、用量をあげるかもという覚悟が嫌だった。

・値段が高い
 →お前、食費かよってほど、高いんだよこの薬。1錠たぶん正規価格が数百円。
 →親に泣かれたが、補助申請しました。一割負担になる補助制度あります、絶対使った方がいいです。

・気づいていたことに気づかなくなる時がある(鈍感になる)
 →敏感さがマイルドになるイコ-ル、鈍感になる時がでてきます。意図して気づかないようにするというより、アレ?みたいな。
 →今までが360度目がついてんのか、ってほど、警戒心丸出しで生きてたんでビックリしました。気づかないとかあるんだと。


★副作用
・夜、薬切れ時刻ごろの電池切れ、からの即寝落ち
 →12時間で効果が切れるので、最初は効果切れたあとバタンキュー。メイクおとしたあと風呂もご飯も無理!寝る!ってなった。

・薬を休む日はとにかくめちゃくちゃ眠い
 →友人と出掛けたら、ランチバイキング中に寝そうになった。そのギャップに慣れるまでがなかなか辛い。

・朝の吐き気がすごい、最初は喉の乾きから来た。
 →コーヒー飲んで(大好物)吐きまくる日もあるし、薬はリバースできないので、持ちこたえる対処したり。胃のムカムカ感は結構感じました、あと舌の乾き。

 


 いままで自分の眠気をただの「サボり」とか「性格」とか、「根気のなさ」だと思っていたので、こんなに生活が変わったのは嬉しかったです。
 これがあれば「人間」の形になれる。

 ADHDというものを悪く言うことなんていくらでもできますけど、私はそんな側面よりも、これがあれば日の明るいうちの暮らしを楽しめるんだなと単純に感動しました。
 自分がADHDだ、とかどうでもよかったのです。ただ普通に大好きな仕事をもりもりやって、暮らせるぜ!と。
 関わる人たちや当事者の方に、「コンサータは生活の手助けのひとつだ」という考え方もあると私はお伝えしたいです。


 案の定、私の親族は過激なので、「なりそこない」とコメントを頂いてます。
 薬に頼らず自分の努力で「人間の形」になれないだなんて、それこそ人間じゃないという訳です。
 たしかに、いままでの日中ふにゃふにゃクラゲの私を私としてくれているならば、そう思うのももっともかもしれません。


 医者先生は私にテコでも睡眠薬を処方してくれません。
 優しいですね。ただただ「寝させる」という単純な解決策をとらず、日中の眠気の恐怖から改善させるという。


 この優しさが、すこしでも親族に理解してもらえるといいんですが。