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日々の幸せなことしかまとめない。

「クリームソーダ」/「プリン」

***
「クリームソーダ


 クリームソーダが、嫌いだ。
 嫌いだと思っているのに、喫茶店とかカフェとかのメニューにあると、決まって頼む。その嫌いだという気持ちを確かめるように、毎度まいど。

 「嫌い」と「好き」は、紙一重だと私は思う。
 その日の風の吹く方向によって、まったく同じ気持ちに対して感じ方が異なるものなのではないか?と、思っている。ただ、そんなことを考えたところで、私には本当にどうでもいい。
 とにかく、クリームソーダを頼んでしまう。

 コーヒーや紅茶の注文の間に、たったひとつのクリームソーダ。緑色の海に白い氷山が一つ浮かんでいて、ヒヤリと冷気をこぼしている。喫茶店が社交場であるならば、ダークカラーのスーツやシックなドレスで集う紳士淑女の中に紛れ込んだ未成年のカラードレスの女というような状況で、思わず私はその異様さに微笑んだ。
 場から浮いている、と思った。

 スプーンでアイスを食べると、口の中には喜びがほとばしる。とても甘い、そして冷たい。
 その後に、パチパチとはじけるソーダを飲むと、まろやかな甘みとはじける感覚との融合が更に喜びを増幅させる。カラードレスの女が、踊りはじけている。美味しい。

「またクリームソーダ?飽きないね」
「美味しいから」
「喫茶店なら、ソイフォンで入れたコーヒーでしょ」

 これが嫌なのだ。

 今、カラードレスの女と私は美味さのダンスにふけっているのに、待ち合わせに合流した友人から途端に水を差されて現実に戻る。向かいの友人はアイスコーヒーにガムシロップとミルクを入れてストローでかき混ぜた。
 私はその手元を見ながら、言い訳の言葉をさがす。

「いーじゃん、何頼んでも。大人だもの」
「まあね。ちょっといい歳の大人がクリームソーダにはしゃぐのもサムイけど」
「クリームソーダ好きなの」
「そう」
 友人はすぐに私の選択に興味をなくしてくれた。
 私はクリームソーダを選んだ罪悪感を残しつつも、次の話題に切り替えた。アイスクリームの氷山が、話している間に瓦解していく。そのうちダンスも踊らなくなったら、緑色のソーダは白く濁ってアイスクリームと一体化していってしまう。

 クリームソーダが嫌いだ。
 私と隣にいると、途端に皆に笑われてしまうのが、可哀想だ。いい歳の大人と、未成年のカラードレスの女は釣りあわないと皆が言う。そんな言いがかりを純粋で鮮やかなクリームソーダのせいにするのも、とても恥ずかしい。


 クリームソーダが嫌いだ。

 

 

 

 

***
「プリン」


 プリンが大好きだ。
 子供でも大人でも、老若男女誰であっても良いと思う。好きなものを主張すれば良いと私は思う。

「これください」
「あ、ちょっと、なに豪華なもの頼んでんの」
「アンタも好きなん頼めば良いやん」

 ふさわしいだとか、ふさわしくないだとか、いったい誰が決めたわけ。
 私は喫茶店プリンアラモードの一番豪華なフルーツが盛り付けられたものを指差した。加えて、店員も一般的な受け答えで私のプリンアラモードの注文を通す。ほら、別におかしいことではない。

 友人はコーヒーにケーキをつけていたが、私はすでに自分のプリンに向けて気持ちを作るのに夢中だ。

「毎回プリンと名の付くものに食いつくわね、他に好きなものないの?」
「小さい頃から好きだから、そんなん考えたことないわ」
「思考が子供っぽい」
「プリン好きだろうが、ハンバーグとかオムライスが好きだろうがどうでもいいじゃない、子供とか大人とか関係あんの?」

 私は友人の口にするラズベリーとホワイトチョコのムースのシンプルな見た目を睨みつけた。その大人っぽい見た目に騙されてなるものか、という気持ちである。そっちだって、ケーキじゃないかと。
 友人は私の発言に、「大人げない」とコメントするとコーヒーをすすった。

「プリン美味しいじゃん、大人になって大きくなっちゃったけど、それでもこの味が子供のころから好きでさ。ほっとする感じ」
「まあね。しかも、そんなにフルーツもあるし、美味しそう」
「あげないから」
「ケチねぇ」

 プリンはいつも誰にでも愛される存在だから、カフェのメニューに載っている。プリンは常に、万人に両手を広げてウェルカムの姿勢を崩さない。
 それは同じように愛されるコーヒーだって紅茶だって同じこと。

 男だから女だから、子供だから大人だからとかいう外野の言いがかりは、勝手に言わせておけ。プリンは、そんなことで拒んだりしない。

 私はクリームとプリンを口に運び、まろやかな甘みに笑顔になった。フルーツの酸味と甘みで変化を加えつつも、主人公のプリンの安定感。すごく、美味しい。
 私を笑顔に変えてくれる魔法の食べ物。ずっとそばに置いておきたい食べ物。

「んー!美味しい!」


 プリンが大好きだ。



***

「もともと特別」感想(2019/10/4)


「もともと特別」

 

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いただいたポスカとブロマイド


タイトルやあらすじだけでは全くどんな舞台かわからなかったのですが、ワンピースタワーに出演していた役者さんが出演されるということで誘われて観に行きました。

 

「この脚本と演出を組み合わせた人、天才なのでは?」

 
ということを観終わった後に感じました。
大阪の舞台演出は小規模さを活かしているのかシンプルで分かりやすく、本当に洗練されているなと思ったんです。


まずは、面白かったです!
内容の重さを、ラストステージのパムスの歌が浄化する…神秘的ですね。

本当はこうだったのでは、とか、あそこはああ解釈せねば…?などと考察をしても、答えにたどり着かなかった。
なので、普通にシーンに感じたことをまとめました。


一つの転換期としてあった、震災の年。
あの日に、様々なことが変わってしまった人がこの日本にはどれくらいいるんだろう?
それを感じたのは、舞台に織り込まれた時間軸のストーリーの域を出ていたので、設定に感嘆しました。

ただ、照射された時間軸の表示、「1 year later」とか出るんですけど、ぱっと見ではいつかわからず追いつかなかったのだけが辛い。

自分の英語力の問題じゃねえか!となるんですけど…。
agoとlaterとパッとでてきて、読んですぐにシーンが始まるので…。
今度はどっち?!
2011年の1年後か、それよりも以前のシーンの1年後か???
見ているうちに引き込まれ過ぎて混乱してくるんですね…。

そこだけ、「~年」表示で統一しちゃえばよかったのに…と思いました。


★細かな話羅列(ネタバレ)

・はる恵さん(小田あさ美)さんが魔法使いか?というところに、だいぶどう見たらいいのか??!!!とハラハラしまくった私の心中がやばかった。
魔法使いとして、他人に魔法をかける…ということで?


・パムスの2人も、人間。アイドルである前に…。と思う部分を視覚的にみると、胸が苦しくなる。
例えばすずちゃん(古野あきほさん)とゆきちゃん(宮島小百合さん)のやり取り。
まやちゃん(倉持聖菜さん)と、楓くん(関修人さん)との関係性とか。


・楓くんの無邪気さが、怖さがあったけど裏表があるというよりは彼なりのその業界での身の守り方のような気がしました。
敏感になりすぎ、気を使って恐れを持って臨むよりも、自分の仕事の表の輝かしさ(アイドル)と同じように、堂々と包み隠さずにいることが一番自分が傷つかなさそう…というような。

まやちゃんの性格との対比もありました。

謝罪会見での笑みは、めちゃくちゃ悪人でしたけども(笑)
あそこだけは、野心が丸出しでした。向かいの座席で見てたので、背筋が凍りました。
まったくもって、会見に邪魔しにきてマウントとりに来た感が…。


・お姉ちゃん(すずちゃん)のシーンのえぐさがすごい。
レイプ被害にあった過去を実際に再現するとなって、あれはエグい。
そして過去それをやったディレクターの今までの飄々とした顔、まさに社会に溶け込んだサイコパス。殺意湧きます。
その後にパムスを抜けることを決めたのに、お互いに納得ができていないすずちゃんとゆきちゃん姉妹。
…確かに。納得いくわけないけれど、状況だけが理解できる流れ。


・まやちゃんの考えることがなかなかわからなかったものの、楓くん家で未遂を起こしてしまいますね。
恋愛問題とは、複雑で繊細。
これがパムスの最後の転換期なわけではないですか。

そんなことを、まやちゃん本人も予想していなかったと思うのです。
自分のアイドルとしての影響の大きさなんて、自分が人間として生きているだけでは気づくことはできないと思います。
状況がごろごろと変わっていく…。ハラハラ。


・本当は…の後のネタばらしのような舞台裏の数々。
ゆきちゃんは本当は悪女だったんでしょうか。なにもかも仕込んで誘導したんでしょうか。
お姉ちゃんのために。

ここからの伏線回収的な転換がとてもすごい!スピード感があるのに落ちてきます。


・ラストライブ
大阪では自由席で、最前列でみてたんですけど、ゆきちゃんの歌の途中で泣きそうなのに、私がつられて涙腺が緩んできた。

その後、ダバーーーーー!!!(笑)

最後にしたのは二人が選んだ(意図的でなくても)結果だと思うのです。
その儚さに、離別していく未来が見えて、永遠なものなんてないんだなと思います。
それこそ国民的な有名アイドルだったとしても。


・ダンス
きれいなダンスーー!ひきつけられました。
ほぼ目線釘付けでした。ゆきちゃんの手の動きが特に美しくて、やばかったです。


 

★劇中歌

使われていた劇中歌の中の、パムスが歌っていた曲が懐かしくて…。


山口百恵「ひと夏の経験」
 →この曲大好きだったので、びっくりした。
  まさにアイドルから出されたら、「衝撃」しかない歌詞ですよ。
  女の子らしいのに、センセーショナルであって、嫌味を感じない純真さ。
  二人からも百恵ちゃんと同じ、乙女の強さと美しさを感じました。

山口百恵「絶体絶命」
 →この曲も大好き~!
  「ひと夏の経験」と同じ、アイドルから出されたらびっくりな曲。
  それでも似合う、黒に固めた二人の姿勢に、ニヤニヤしちゃうほど似合う。
  

中森明菜「目を閉じて小旅行」
 →最初聞いたときに、知ってるのに誰だっけ?!となった曲。
  ゆきちゃんに合う!!!このさわやかさと切なさを兼ね備えた失恋ソング。
  最後のライブで二人で歌えてよかった…。

中森明菜「忘れて」
 →歌詞が…シンプルに切ないので涙腺が崩壊した曲。
  最後は意味ありげな曲なんですよね、覚えていてほしいはずの最後のライブに「忘れて」という曲。
  違和感に余計に忘れられない。
  

 
選曲がいい。

しかもあの作曲家さん(川又崇功さん)のイメージから出てくる曲とは、最初思えなかった。
なのに、「アイドルに合わせて作りたいものを作る」というセリフでちょっと説得力を感じた。

だって似合うんですよ~!

 


内容の流れにそって書ける自信がなかったので、箇条書きにしました。

アイドル的な明るい内容、という入り方を思いきり裏切り引き込んでくれる内容でした。
テーマ的に、国民的アイドルのネタが使われているというのを知ったのですが、
知っていても知っていなくても面白い。
すごく面白い。

金屏風事件の部分は、後で知って「コエ~~~!(泣)」って震えましたけど。


重たさが強調されるシーンと、神秘的で軽いシーンや笑えるシーンのバランスがとても良いです。
ギャグの後にシリアスぶっこまれて、オエエエって吐きながら見るパターンでは全くなく、緩急のバランスが私には合っていました。

構成がすごいと思います。


 
そういえば、はる恵さん、魔法使いだったのかな。
魔法使いだったのかもしれない。
生きているのが辛い人たちを、せめてもう少し幸せにしようと魔法をかけて一生懸命だったのかもしれない。

わっかんね~!

 

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むぎウソとアフター感想ご飯会

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プリンを取り合う2匹

 

みんな人間一年生(しごとのこと)

「みんな人間一年生」

 


 面白い社員が同じチームにいます。
 今春、私と彼の人はここで仕事を始めたばかりです。

 コミュ障のチームに、コミュ障のメンバーが増えた。
 チームチーフと、前回書いた「できるところからしよう」さんが元からいるんですが、長+社員さんだった体制に2人増えた、ということになります。

 …が、結果、全員人間一年生、という感じです。


 彼の人、初登場の印象。
 全くしゃべらない。
 それは、おかしくない。そもそも無駄口が多い私の方が違和感のある社風なのです。そこに違和感は全くなかったのです。

 なんとなく、ニヒルな印象の笑い方で戸惑わせてくるところから、コミュニケーションが正常にとれないことに気づく。
 笑い方が下手では、と思ってしまう人に生まれてこのかた初めて会った。
 どうにも形容しがたいニヤついた笑みに、聞き取れないほどの小声。私はその笑みに、適切な反応が返せない。人間笑うのが下手って…こ、こうなるのか………???
 仕事を頼む時の「お願いします」も、終わったあとのお礼も、私の方ではなくて明後日の方を向いている。
 だれ?だれに言ってるの?なんか私の斜めの方になにか見えます?!!!??

 だ、誰か教えて…霊視かお祓いして欲しい。

 

 彼の人の仕事ぶりはというと、本当にいかんともしがたい感じになっています。
 私の機嫌が悪い日は怒りの種になることもしばしばです。


 私も新卒の時、電話が苦手だった。最初。本当に。ガチめに。
 皆通る困難だから!とSADの手の震えを薬で押さえつけて、なんとか…あのとき怖さを克服できたのは本当に得難い幸運でした。

 彼の人。
 半年たった今でも、チーム担当業務の電話の代理応答でも、「私は担当じゃないので」と断る。
 チームを意識していたなら出れた気がするが、なぜか他チームの先輩社員に「担当は不在です」と応答させてしまう。
 繰り返すこと、インフィニティ。ちょっと…不敬がすぎるじゃないですか。

 担当じゃないのでわかりません問題はなかなか大きくて、担当じゃない原稿の更新具合を、他の人に教えてあげてと仕事代行依頼をメールで送ってくる。
 しかも担当とは言いますが、チームの作業メンバーは3人(長は書かない)。
 だからお前以外は他2人だろ、担当知らないはずはなく、名指しできる。聞けばいいんでないの??

 

 彼の人はいつでもボーッとしている。
 私はゴーストライターなので、自分が補助する人に指示をあおぐのが毎日です。伏線は自分で回収、仕事の見取り図ないので。
 なにやら社員さんに作業相談していると、彼の人は私の方をみては、ウンウン小さく頷いてくる。

 いや、私もよその会話を聞いているときにそれはやるけど、そんな微笑みながら何度も頷かれても。
 笑顔がコワイ、なんで笑うのですか、私へんなこと言ってる?
 その頷きや笑顔が視界にチラチラ入って来るんですが、あなた一度もこちらのタッグ2名を手伝ったことないよね?

 聞いていて「手伝いますよ~」ではなくて、面白そうに聞いていて、面白いときに遠慮なく笑っちゃうという空気の読めなさ。
 私は関西人なんだからギャグぐらい言うよ、だって皆会話しないんだもの、ふざけてないと気が狂うわ。
 

 タッグの相手の社員さんはわかってなくて、一生懸命私が説明してるときもこっちみてくる。すごい何度も頷いてくる。

 こっち見るな、自分の仕事に集中しろ。
 その「私はちゃんと聞いてますよ、説明分かりますよ」は、不要なんだ。
 手伝う関係性以外では。
 あなたテコでも手伝わないでしょうが、ここのタッグ2名がパニックなってても。

 そんな視線や、空気の読めなさで相容れないなー!と私は一方的にイライラとさせられる日々です。
 嫌ですね、チームなのでそんな感情なんて不必要ではないですか。
 いざというときに信頼関係ができなければいけないのに、視界をちらちらと邪魔をされる。試される私のキャパシティ、頑張って。
 きっと本人は私を苛立たせようなどという気はないだろうというのもわかっているので、余計にかわいそうに思います。

 でもやめて欲しい。彼の人にわかって欲しい訳ではなく、目の前の人に話してるんだ私は。

 いいか、こっちを見るな。

 


 彼の人は、あらゆる自分の役割をスルーしており、部署で一番の後輩であるということも忘れさせてしまう影の薄さを持ちます。

 担当係の先輩は呼び出され、同じ係の自分が呼び出されなかったという状況を長に指摘され、「じゃあ、行きましょうか?」と聞いてしまう。
 真面目に言って、失言ですね。

 そこは「私も行きます!」パターン。このパターンは体育会系なんですけど、「なんか呼ばれてないけど…行ってあげましょうか?」感がすごいことになってしまっていた。はっきりいって、不遜な雰囲気でチーム全員沈黙してしまう。
 皆彼の人に振っていいのか?だめ、なのか?パワハラ?と普段から首をかしげている様子です。

 
 彼の人は、業務中にアニオタwikiをPCブラウザの小さい窓で開いて読み漁っています。
 wiki系はこの仕事では使わないのが原則なのですが、なんで読んでいるんでしょう、隠すように小窓なんですが基本丸見えです。
 これならぐでたまの「あ~早く帰りて~」壁紙を設定しているシュールな状況の方がよかったと思えました。

 アニメ・漫画の資料はこのチームの作品・原稿に一切必要がないモノなので、PCに「アニオタwiki」が開かれている事実がちゃんと説明できない状況なのが憎らしい演出だなあと思います。
 いつか誰か「それなに!!!」って聞いてくれないでしょうか。
 昼休みにゲームをするのは全然いいとおもうけど(私は昼休み中はシエスタばっかとってる怠け者である)、ある日は絵を描いていた。
 なんだ?余裕ということなのか?


 くそう、感情を乱されて、悔しい。純粋にそう思います。

 こういう部分を互いに話題にのせて諌められないところも、チームのコミュ障集団具合を表しているなと感じます。
 長の上の人は、彼の人のアニオタwiki画面を3度見くらいしてた。

 バレてるよ、と止めてあげられるぐらいのチームになれるよう今後に期待します。


 まず、私はお祓いに行きますね。

 じゃないとこれからも明後日の方向に挨拶されちゃうのでしょう。

 


 チームチーフ(俗称:長)の采配が上手ければ、こんなことにかまけずに忙しくしてたかもしれないと思うこともあります。
 チーフはいわゆるコケシ。座ってるだけで一日終わるタイプ。しゃべらない。

 作品の行程管理ができず、チェック待ち一週間。

 原稿が本当にすすまない。
 そもそも終わった(書き方OKかどうかのGOサインが出たこと)かどうかもわからない、会話が生まれずなかなか聞きづらい。

 その沈黙具合には、私も「できるところからしよう」さんも手こずっていて、本当に路頭に迷う時もある。
 まあ、定時で帰りますけども。

 雰囲気に飲まれずに果敢に聞いた場合は、かなり時間を食われる難関コースな上に、チェックは終わっていない場合が多いです。
 脱線するから話題がいつのまにか変なところへ、気づかなかったら私はどんどん時間を消費。
 せまる締め切り。首が…!残業地獄へようこそ!!

 なにか要領を得ないことがあるのならば、その場で組み立てる補助はいくらでもするのに、いつも真っ白の模造紙の上に無言でなにかをもとめられるのです。

 

 魔法使いじゃないですし、エスパーでもありません。

 私はゴーストなんです、人間扱いされても困ります。

 

<追記>違和感あったけど、夏が終わってしまった…(Pレショ感想)

なんだかおかしい。

違和感が拭えない初日だった。

 

今年もウソップクラスタの方にチケットを取ってもらい、

ウキウキ定時ダッシュでプレショ初日を迎えた。

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毎年応援しているのは大御所演じるゾロ。そしてウソップとブルック。

 

最初に見終わったあとは、

(なんだかずいぶんとちぐはぐした内容だな)と思った。

オリジナルキャラの3人は今までにない?感じのキレイ系で、面白い。

ボンクレーの回想までは良かったのに、なのに…囚人のくだりからなんだかおかしい。

設定までは誰かが仕立てたのに、どこからか監督交代した?みたいな、ぐちゃっとした内容だなと思いました。

 

まだ台詞も構成も、覚え切れてないんですけど。

 

過去キャラを出すという、一種の解禁があだになったなとは思いました。

話の内容がドンドン薄くなっていく。

ボンクレーが外界に出るチャンスとあれば、囚人の過去キャラを出すしかないんですが。

その過去キャラの選び方が不自然が過ぎるんだ。

 

あと、過去キャラの『キャラの強さ』を適当に潰さなければいけないために(メイン敵キャラは既にいるので)、消費要員にしたのも、内容が薄くしている。

 

科学兄弟の長男だけ出してもあまり燃えないし、言動も変だったな。三人出さないと、どういうことなんだか。それをゾロが相手をするのも変だったな。

 

一緒に見に行った方は、一種のオマージュ回なのでは、と言ってらっしゃって。

私もオマージュパロ回なら、なんとなく、薄いな~と思いながら見れる内容でした。

 

皆と見に行って思い出に浸る年なのかもしれない、2019年。

ストーリーに期待した分、キャラの多さと特殊効果で圧倒するパターンでこられるとは思わず、ちょっとびっくりしています。

もっと一味に一緒に戦って欲しいのにな~とも。一味のグリーティングも減りましたね。

写真撮れても、私はなんだか一味が遠い存在になったほうがショックで…。

 

次は恒例サンレスの食レポまで、あと1ヶ月とちょっとです。

よし、全力で今年も食レポする。

 

 

***

<追記:2019年10月1日>

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千秋楽のポスター

プレショ感想、追記します!


最初にあれだけやんや言っていても、回を重ねるごとに熱くなっていくし、見慣れた演出以外のアドリブを楽しんだりしました!
それこそ、ショーの醍醐味ですよね。

実のところは、そのままだけだと夏の思い出が面白くないから、みなぎったところたくさん書きます。

 

細かなところ。

★ウソップの「それはジェー!」っていう手の向きがちゃんとJのときと、反対向きの時があって、すごくかわいいなと思いました…。

★サンジくんが、ウソップを助けに飛び込む前でアタフタ走り出しそうにしてるのに気づいたときに、サンジめっちゃ焦ってる…(そのあとセリフでは落ち着いてる)と爆笑しました。

★ブルックの戦いかためっっっっっっっっっちゃすき!

「剣ならば負けませんよ!」とディアマンテに突き技で挑むのも、バルザック中将に真先に切っ先をむけてルフィのフォローするのも…今回はブルックの殺陣の種類多いなと思ってました。


★ゾロの刀の握り持ち…そしてヒョイって刀投げて持ち直すの…かっこいいが過ぎませんか…。

★そんな細かいゾロのしぐさも最高ですが、サンジ君の技名に合わせた足技アクションも今年はキレキレでした。最終日にサンジ君の「パーティーテーブルキックコース」が来たとき、周りのお客さんと一緒にワァッ!!!って湧きました。

 

★9/17もプレショ見に行ったんですが、サンジとゾロが「だるまさんがころんだ!」っていって黙らせ合うという…謎な遊びを15分ぐらいやってました。

 

★9/17の、一味のグリーティング!いの一番にかけ上がってくるゾロに、このブロック(H?)神配置だな~とニヤニヤしました。

しかし私は自分の真後ろにゾロがハイタッチに来てくれても、微塵も気づいてないという馬鹿っぷりでした。いいの、間近で顔見たから。泣いてない。


★ストーリーについては言わないでおく。追記でも一切誉めるとこは…うん。

バルザック中将のパーフェクションのレパートリーが多すぎる。すき。UFOみたいなのと、振り替えってやるやつも面白い…。

 

★<数え歌覚書>

ひとつ!ひとよいざみよ!正義は俺だ!悪は滅びる完璧に!

ふたーつ!不浄の世をただす傷ひとつ無き正義のみはた!

みっつ!見えるぞ散りゆく悪がそれは貴様だ、じゅうろくばん!

★数え歌作ったんだろうな…完璧に仕上げてきたんだろうな…。必殺技の技名を考える的な中将を想像して、その努力に涙した…。

★必殺技は「パーフェクトダイバー?」みたいな感じなんですけど、私は「パーフェクトダイパー(完璧オムツ爆弾的な)」と勘違いしてて、ん????ってなってた、正解が知りたい。

 

★スマッシュ総司令が倒されるとき、「ふたつ!」まではあたふたしてるのに、「みっつ!」で落ち着いて仁王立ちするの、すごいかっこいい。覚悟決まった人!ってなってた。そんな細かいところも演じられてて好き。

 

★宴だー!と肩組んだサンジとウソップ。ダチ感がでてていいですよね。どんなに野郎はいやでも、ウソップとのコミュニケーションは楽しんでるサンジ。女の子とだけだと顔がギャグになっちゃうもんね…大変だね…


★スタントマンさんたちにも、それぞれキャラのバトンが繋がれていて、水に飛び込んだり炎に燃えたり…すごいなあもう…と今年もしみじみ思いました。

めっちゃみんな燃えるし、めっちゃ飛び込むじゃん…?と目が忙しかったです。

 

★特効が去年よりは少なめかなと思いました。(去年はそもそも燃やす能力がメインボス)ラスボス要素にマゼラン副所長が出てきたので、爆弾の火薬よりも他の演出がでてた気がします。バルザック中将は火薬よりも、破裂が誇張された技演出でしたね。

 

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また会おうね



今年も、楽しみました。暑い夏でした。

ありがとうございました!

 

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いつも女子会してる夏

 

描けないチーム(しごとのこと)


一緒に仕事をするなら、まず見取り図を書いてほしい。




私は人(社員さん)の下についてゴーストライター兼リサーチャーをしている。

非正規勤務の闇なんてのは、まあまた次の機会にと許容できるほど、皆気が狂ってる。

 

今回は、これを分析考察してみた。


 ①全員コミュニケーションに難がある(これは私も含めてなのかもしれない)
 ②何を作りたいのかイメージせずに、いざ、発車!(まてまてまて)
 ③『仕事』はあるのに、指示がなく、『できるところからやろう!』と言われる。(自由か?)

 

ただただ「くそだ!」ということは簡単なのですが、それがどういうものなのかを分析して考えてみるということも仕事の作業でするので、練習のようなものです。
考えると、理解ができてきて怒りが収まる気がします。

…怒っても「気がイってるから仕方がないか~」ぐらいには思えます。(許してはいません)





①全員コミュニケーションに難がある。

ちなみに私にも難がある。薬を飲んでいなかったら、声の震えがひどすぎて電話も出れない。今は大分回復して通常の人間をやってますが、この話はまたの機会に。

 


うちのチームは、例えると私含めて全員人間初回組だとおもいます。

輪廻の中で前世はなんだったの…?私は多分虫だと思う。


とにかく、チーム業務なのに普段何もコミュニケーションしないのが社風だったようです。だから私が通例のように送った報連相メールも、なかなかみない、ちなみに返事もしない。

互いに送りあったメールすら「みてないわ!ハハハ!」とか言い出す、狂気だわ。


仕事を与えられたので、質問しようと話しかけるとビックリされ、指示をあおぐと逆に質問されて攻守交代することもある。なぜだ?教えてくれずになぜ私があなたに教えるんですか?

やった仕事は報告せず(ちなみに作っているのは一つの作品なので、誰かが更新したら知りたいと私は思う)、作業の資料を報告した証拠として渡してるのにその場で手渡しで返してくる。(さようなら証拠)


これで仕事が仕上がる方が奇跡じゃないか、と私はすごく思いました。

修正を繰り返したり、指示をあおいで書き足したりと、ゴール地点まで仕上げるのがなかなか難しい。


内容の質問してるのに悩んだままスルー、というパターンもあり。

そのあとの修正中に質問した箇所の仕上がりを怒られたり。

そして、いつのまにか仕上げをした誰かが提出して、完了。

…いつのまにか仕上がって提出されてるやん、というのを私は今まで3度ほど食らった。納品完了報告とかない。

会話しろよ、できたよ!って言うだけじゃないか!と思いました。

 

まあゴーストだから、いう必要がないのかもしれませんね。

 

仕事をチームでするなら、互いに何をしているのか、どこを担当するのかを打ち合わせすると思っていました。できたなら一緒に「「「できた!」」」と喜びたくないのかなと思ったんですが…。

このチーム、コミュニケーションを取ろうという努力は一切見えないのです、できればただ流れてくる仕事をそれぞれ一人で作って流していきたい…みたいな殻をメンバーに感じてます。

 

でも、それは無理なんですよ…作品が大作なので…。

 



②何を作りたいのかイメージせずに、いざ、発車!


基本的にゴーストライターは、指示および注文してくれる人の意向に沿うように作る。

しかし別枠で仕上がり内容のヒアリング、構成の提案がある。

 

そもそも『指示する』って難しいですよね、他人に自分が理解している内容で伝えたけど、その人には伝わらないなんて普通だと思います。

私は自分が仕事をしやすいように「これを作って!」と言われたときに、考えつく構成や質問は最初に並べて細かく指示をもらおうと務めるようにしています。



さて、うちのチームの場合。

 

仕事が来た。→とりあえず発車!→基本になるデータ揃えて並べた。→チェックをなぜか通過してしまう。→んーーーやっぱ違うかも、と誰かが言い始める。→結局今年用にカスタマイズで全面リテイク×5回。→残業地獄


構成考えとけ。この数ヶ月を返せ。

 

隣のチームはちなみに、

・仮説を立てて検証して作品の内容にの濃淡がでるようにする

・請負チームが思う見栄えがいい構成を推していく

という手法を通常で使うので仕上がりのクオリティがとてもきれい。

うらやましい…もっと綺麗なものを作りたいという気分にさせられてしまいます。

 

こちらは発車するスピードは早いんですが、検証に仮説を立てていなくてリサーチがしょっちゅう入る。ああ書こうかな?こう書こうかな?と悩んでいるのでぶれちゃうんですね…。

こればっかりは、チームが作品の組み立て方をちゃんと議論してないからだと思います。

 

…え?コミュニケーション不足ってこと?①に戻るってこと????


③『仕事』はあるのに、指示がなく、『できるところからやろう!』と言われる。


私はそもそもゴーストライターなので、作品に名前は載りません。補助員なので、人のやりたい仕事の「補助」をする役目です。

しかし。

いつも「できるところから、やってもらって(構わないですよ)」と言われる。

 

…スペースキャット案件になりますね。(スペキャ顔)

 

『できるところ』は、すべてである。(だってゴーストだもの)

「やってもらって…」と自由オブバイキング形式の仕事を与えられたときを、好きな順番でやっていく計画を自分でたてなければいけない。
もちろん、『一番にやってほしいところ』『欲しい表現』『載せたい資料』とかリクエストは最初は皆無で、私は『わかりやすそうゾーン』『早く終わりそうゾーン』から手をつける。

自由なのはうれしいけど、仕事の進み方としては最善ではないですね。

いつのまにかそうやってコツコツ作業を重ね、できそうな仕事全部片した。
私がついてる人は、その間何をしていたか。

 

なにもしていないのである!!!!

リサーチした資料は見ないし、記述の相談にもそもそも資料をみていないから乗れないし、「~~~風にまとめますか?」に②の状況ママで考えていない。

もちろん他の仕事はしていますが、構成なんて同時に考えられるしまとめた資料を見れば考察できるのに、まったく見ていない。

 

まったく見ていないのである!!!!!!!

 

上の長に、この資料はどうやって作ったのか教えてと言われ、沈黙。タジタジアセアセ。

しこたま怒られてましたよ。

作ったのは私ですが、ちゃんとどういう風に作るかは相談しましたし、もともと「これつくって!」と言われて作ったものです。

…まずい。まずいぞ。

指示ができないことをディスるのは、40歳越え管理職ポジションの人だけにしようと思っています。

私はこの「できるところからしよう!」さんに、怒りの気持ちをはっきりと抱くことができない。

 

指示を明確にするのは経験値がいるし、他人に理解をしてもらう指示は一朝一夕できるものではないと思うからです。私とのタッグもまだ1年にも満たないのです。

 

でも「できるところからしよう!」では、いつまでも私の好きなバイキング形式仕事で、作品のクオリティも上がらない。

自由すぎるのは職場の空気を察する能力を使いすぎて、精神的に摩耗もします。これが一番疲れます、察してチャンの彼女を相手している気持ちすごくわかる。

私ができるところが、作品に欲しいものと合致してなかった時はもうその日残業確定です。

 

もうちょっと優しくしろや、私はギャンブラーちゃうねんぞ。

賭けに負けたら残業確定ってなんやねん…。

 

それというのも、前も他の会社でリサーチャーをやってました。ついてた人は仕事の区切りが上手かった。

 

「この資料をまとめて」「この項目だけお願い」「ここだけ調べてこの部分を載せたい」…など。小さく区切られた作業はわかりやすくてミスが少ない。

しかも工程をその人が管理してるので、完成度もわかるんです。完成したら「できた!ありがとう!次いこう!」と言われた。



今ついている人には、こうなってほしいな、ぜひそういう風に考えるようになってほしいな、と思います。

私もサポートとしてもっと努力する必要があると思います。私こそ具体的に、これができる、と言うとか報告するとか。



…そう思うと、この仕事のコミュニケーションが占める比重は高いと思います。

だからチームは気が狂ってるけど、会話をやめて仕事ができるものでもないので、私としては「諦めてください」と考えています。自分にも、相手にも。

 

仕事や作業、得られる知識もろもろの内容が楽しいのが、ずるいです。私はこの仕事が好きです。



仕事の見取り図があったら、もっと最高なのになあ~!!!!

 

ヨルハ1.3a感想(19/7/14)

  

  誘っていただいたので、ヨルハ1.3aの大阪千秋楽を見てまいりました。

 感想を書くのが遅くなってしまいました。

 書くまでの間に原作ゲームのニア・オートマタ、原作学習をあとでしたんですが、大変深いシリーズなんですね…。この世界線の人類の業の深さを感じます。

 

*以下、とってもネタバレしています* 

 

 

 アンドロイドで機械なのに感情を出して「死にたくない!」「こわい!」と叫ぶシーンに、感情が揺さぶられてしまい、びちょびちょに泣きました。


 舞台で演じているのは人間なんですから、見た目は完璧に人間。(ゲーム上もほぼ人間見た目なんですが)
 なのに、最初は端々に機械っぽさが出てるなと感じていたんです。
 そこからレジスタンスに会って、真実に触れていって変わっていく様が、非常に綺麗に演出されて、役者さんの演技が積み上げられてるなと思いました。

 
 私が一番好きになったキャラは、十六号さんでした。
 あ、見た目がまず好きです。
 中央分けに、すらっとしたスタイルの出るズボンスタイルの戦闘スーツ。足のO脚気味な細さも好ましい…!
 性格は粗暴で不器用な感じ。でも根はやさしい雰囲気が、すごく漏れてきています。(笑)
 ややこしいことは嫌いで何事も自分のペースで行きたいのに、未知の事態に遭遇するとアワアワ。なかなか素直になれないながらも、リリーに対して自分の謝意を表す所が、成長してるなと思わせてくれました。


 冒頭からレジスタンスにあって協力をするという場面までで、
なんであえてアンドロイドに『多様性』を付与したんだろうと個人的に思いながらも、個性が出るやり取りにほほえましさをも感じました。

 つまりは24人のヨルハ部隊には、24人の個性があったということで…。
 この個性に思いをはせると、最後の方の皆がそれぞれ死を迎えるシーンで鳥肌が止まらなくなりましたよね。

 

 劇の構成はとても分かりやすくて、予習を軽くしただけ私でも理解しやすかったです。

 部隊場面切り替えが綺麗で、映画を見ているように登場人物が入れ替わるのも面白かったです。
 音楽の盛り上がりも、美しいし、何よりも生演奏が聞けることがとてもとても嬉しかった~~~!
 演出がとにかく『世界』なんですよね。世界に入りきって、作ってるのがたまらなく贅沢でリアルでした。

 

 しかもプロジェクションマッピングを使った戦闘シーンは、エフェクトがかかったゲーム画面みたいで臨場感がマシマシ。
 ワンピースタワーのときも投影式の演出すごいな~!と思ってたんですけど、舞台の広いところで戦闘シーンとかは圧巻!と思いました。

 十六号さん銃が撃ったら先端が光るのも、小道具も細かいなと思いました…。
 あとガーベラのパッド式の機械とか、背負ってるロケットランチャーとか…細かい…!細かい…!

 原作ゲームが登場アンドロイド?さんが女性が多いのを、今回全員男性にしてみて、というところだと思うんですが、リリーの可愛さがすごい…!
 男の子てわからない、どっち?!てなりました。ローズさんもだけど…!
 ガーベラもダリアもかわいいし、中性的な可愛さを感じました。好きです。

 

 
 少しだけ内容について。
 2号に「君が一番強いと思うよ」と言いたかった4号は、自分の弱さを自覚していたのかなと思いました。

 劇中、4号は常に自信に満ちていて、そのシーンぐらいしか本音を吐露するところが無かったんです。自分の弱さに対する恐れ?の描写がなかったので、そこはもっと見たかったなと思いました。
 そういった描写があったほうが、4号が最強なはずなのになんで死んでしまうん…????という当初の困惑が解消される気がしました。
 (結局のところ、2号が他の3人にはない個性(?)や覚悟の強さ(?)の様なもので生き残り、境地を越えて強くなるんですが。)

 

 ワカバさん、登場当初の話し方から、ヨルハ隊員が降下作戦で多数死んでしまった後での変化がすごいと思いました。
 持てる感情を倍増させて、成長のような優しさのような人間味がでてきていました。これは本当に気迫がすごくて、最初とのギャップの強弱に「ワカバさン…ッ!なんて純真…!!!(大号泣)」になりました。


 一方の複雑な感情が入り混じるホワイト司令官。
 我慢しきれず、最後には自分でクリーニングに行ってしまう…。切ない…!
 でも立場を手放すことでは、ヨルハ部隊やレジスタンスたちを守れないと理解しているからこその判断と思うと、英断です。

 きっとこの状況を、ずっとループしているんでしょう。
 感情をリセットしたのに、また感化されてしまって、憂いて、我慢できなくなりそうになって…そしてまたクリーニングに行って。つらい。

 


 あ、司令部の衣装が、スターウォーズ風だったので、テンション爆上がりしました。
 しかもジェダイ風のシルエットに、帝国風の白色をあわせるという!最高です。
 衣装デザインさん最高ですか。最高なんですね!

 


 なぜアンドロイドに感性を付けようとしたのかな、と観ながら思っていたんですが。
 (ゲームの根幹にかかわる部分を無知識でみるとこうなる)

 最終的にこの疑問の答えは、「生きる意味、仲間を思う感情、逆境や絶望を乗り越える経験、恐怖を感じる弱さ…etcを感じた存在が、境地を越えて強いから」という人間の一方的なおせっかいなのではと思っています。
 また、単純な敵キャラとして登場する機械生命体と対比というのもありますね。

 

 生きる意味を見出すというのは、感情があるものであれば人間でもアンドロイドでも同じなんだなと、観ながら思ってしまいました。

 

 特攻スタイルの16号さんは、もう感情が無理でした。悲しい…。
 死亡フラグ立てて…!てなるので、一抹の希望を抱きましたがまあ死にますよね。
 でも皆と協力するところを観ていると、成長しながらも自分の存在意義を証明してて、こういう足掻き方をする人っぽいなアと思ってしまいました。

 21号さんの、「私は何のために…?」みたいなことを考えてたところは、考えるよねえと軽く思ってたんですが、
 その後の最終決戦に、「戦う為に生まれてきて、そしてスキャンモデルとしてできることはこれだ!」とエレベーターをハッキングして皆を先に進ませる。
 涙腺に、この健気さがダイレクトにくる。泣くしかないでしょう。


 感染後のガーベラさんとローズさんの「殺してください」のやり取りは、反則でした。
 ガーベラはみんなの役に立つサポート的な役が強くてお兄さん!タイプだったので、甘えるイメージがなかったのに、ココで出す!

 ここぞとばかりに、ローズさんに頼む!
 そういう死に方したかったんだな、と思いながら。
 しかも菅野さん(ガーベラ役)の声の強弱も、演技もがすごくリアルで…。

 そこらへんから泣きすぎて、水分足らないんですが。

 

 あと、最終日だったので、最終戦闘シーンで、2号と全ての機械生命体が殺陣をやってくださったのは、垂涎ものでした。
 とてもテンションがあがりました!

 2号の頼りなさが残る幼いイメージが、最終戦闘で完璧に限界を超えてしまうところ。
 ゲームにでてくるA2になる過程を観ていたのかもしれません。


 感情的に、いろいろとかきましたが、満足です!
 舞台はやはり世界観の作り方がたまらなく好きです。


 映画は空間をカメラで切り取って映像を作るので奥まで場面を作り、それも大好きなんですけど!けど!!

 舞台は少ない舞台道具のシンプルさで、まるで幻覚のようにその背景や場面を観客に見せるんですよね、しかも生の感情の演技を見ながら。贅沢だなあ。
 まさにヨルハ1.3aも、ナマで『生命の生死観』を見ました。深いなあ。

 

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観劇後に息をするように買ったパンフとブロマイド

 

不眠の話

こちらは小話でフィクション。
ただ、自分の実体験がたくさんはいってる。
こんな風に思っている不眠の人がいるかもしれないし、いないのかもしれない。
少なくとも私には結構辛い症状。


***


 眠れない、と思うことは毎日のことだった。
 絶え間なくあくびをしていたのに、夜に横たわった布団の上では目が冴えてしまう。
 渇望する睡眠には出会うことすらできない。私は不眠症だ。

 いつからこの症状に悩まされているのだろうか。
 そしてこの症状はいつ回復するのだろうか。

 酒を一定量飲むと眠くなることから、毎日酒を飲むようにしてみたこともある。確かに寝入ることはできるのだが、動悸のせいで体が落ち着かず、悪夢をみる回数があまりに多かったのでやめてしまった。

 クラシックコンサートに誘われたら断るようにしているが、クラシック音楽を聴いていると眠くなるという理由だった。
 その応用でクラシック音楽のCDや配信音楽を流してみたこともある。飽き性な私はバイオリンの演奏の始めから交響曲の盛り上がりのピークまで聞いている集中力がなく、ダンスミュージックで首を降りながら歌う時間に切り替わって余計に夜更かしを助長した。

 その他様々な方法を試してみたりしたが、なかなか効果を認められるものがなく、ときには季節的な変化にも苦しみ不眠に悩まされている。

 大抵寝れない翌朝は、目覚まし時計と40分ほど乱闘を繰り返す。せっかく熟睡できそうだったのに、と悪態をつくのが明け方の5時頃の覚醒。その一時間後には目覚まし時計が私をおこしてくれるがタイミングが悪い。
 明け方に無意味に起きてしまうと、もう一時間後などの目覚ましは眠りかけの私の頭を音叉で殴打したような不快感だ。
 眠れそうなのに!熟睡できそうなのに!あと4時間後にしてくれないか!と、スヌーズボタンを押すことをくりかえしていく。

 寝れない日々が続いた昼頃は、日中に眠気が出るのことに最大の恐怖を抱いて、昼ご飯をほとんど食べない。カロリーメイトかゼリー飲料、もしくはコーヒーだけの場合もあった。
 それでも眠気が起こる場合はガムを噛みながらメンソレータムの気付け薬を吸う。そんな状態でも時おり意識が途切れる時がある。そんな状態は極限状態で、目の下の隈の濃さがいつにも増して目立つ。
 ただただ、仕事のうちでも、眠気が出るのが会議中でないことをもっとも願っている。


 寝れない日々が続くと、カフェインへの無制限の信頼が度を越えてくる。
 朝にコーヒーを飲まないと、覚醒しない脳みそで支離滅裂なことを言うため事態の回避にいつもコーヒーを飲んでいる。カフェインが効かないほどの眠気がでないことを祈りながら、昼頃までは飲み続ける。
 しかし夕方は医者にカフェインを禁止されている上に、自分も夜寝れなくなってしまうことがこわくてピタリと飲むのをやめる。そして朝にはまた無尽蔵にコーヒーを飲み、夜は休み、その繰り返し。
 効果があるのかどうかも疑わしく感じ始める。

 しかし、もともと毎日コーヒーや緑茶を常備している私は、休日カフェインを手放した瞬間に、どんな眠りが浅くとも10時間は眠っている。
 ただ眠りの質は良いとはいえず、悪夢で飛び起きることが何度もあるため、私は寝ること自体を『怖い』と思っている。

 眠って夢をみたとき、そちらの世界に連れていかれそうな程の現実的な感覚を、飛び起きては忘れようとするがこういう悪夢に限ってなかなか忘れることができない。


 この状態を含めての不眠症である。
 つらい、くるしい、という気持ちを越えて、ただもう眠気に恐怖を感じている。

 寝たところで熟睡はできないのだし、悪夢をみるか、起きるのが苦しい状態を味わうか、ただ人間として太陽の上る間は不意な眠気などに邪魔されず生きていたいのに、それができないという恐怖。
 他人からだらしがない人だと思われるリスクや、仕事への打ち込みへの支障を考えると、私はいますぐにでも強力な睡眠薬で無理矢理眠ってしまうべきではないかと思う。医者はてこでも出そうとはしないが、それは優しさなのか意地悪なのか測りかねる。


 そして、こんな夜中にこんな記録を書いている時点で皮肉が助長されて、笑いすら起こる。

 私は寝ている私が本来なのか、起きている私が本来なのか、悪夢や妄想の中の私は誰なのか、自己の認識すらも分からなくなるときもあるがそういう時は布団に気絶してしまうほど睡眠をとっていないときだ。
 そうやってしか、睡眠と付き合えない。恐怖を感じないほど疲れてしまえばいい。

 安心して眠る、とは、死以外になにがあるのだろうか。あって欲しいと思う。
 それに期待を持ち、ただただ今日も夜明けを待っている。